退職金も法律上の支払義務はありません。制度がある会社でも、一時金なのか年金なのか、自己都合か会社都合かで金額が大きく変わります。相場と税額の計算は退職金の相場にあるので、ここでは制度そのものを整理します。
このページは仕組みの説明です。実際のデータは 退職金の相場と税額計算をどうぞ。
退職一時金は会社が自前で積み、退職時に一括で払うものです。確定給付企業年金(DB)は給付額をあらかじめ決めておく企業年金、企業型確定拠出年金(DC)は掛金だけを決めて運用結果で給付が変わるもの、中小企業退職金共済(中退共)は国の機構に掛金を払う中小企業向けの制度です。
1社が複数を併用していることも普通にあります。自分の会社がどれなのかは就業規則の退職金規程に書いてあります。DCの場合、金額は運用しだいなので「相場」を当てはめても意味がありません。
ほとんどの規程は、自己都合退職の支給率を会社都合より低く定めています(7割程度に下げる例が多い)。加えて支給率は勤続年数に対して後ろ重い——勤続20年の2倍働いても、金額は2倍よりはるかに大きくなります。
会社が人を減らしたいときに早期退職優遇制度として割増を提示するのは、この差を埋めて合意退職に持ち込むためです。解雇が原則として無効になることの裏返しです。
一時金で受け取るときは「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出します。これを出すと退職所得控除が適用されますが、出し忘れると退職金の全額に一律20.42%が源泉徴収されます(確定申告をすれば戻ります)。
退職所得控除は勤続20年までが1年あたり40万円、20年を超えた分が1年あたり70万円(最低80万円)で、控除を引いた残りの1/2だけが課税対象です。勤続35年なら控除は1,850万円になります。実際の税額は退職金の相場の計算機で出せます。
同じ企業年金でも、一時金で受け取れば退職所得(上の控除と1/2課税)、年金で受け取れば雑所得(公的年金等控除)になります。どちらが有利かは金額と他の所得しだいで、一概には言えません。
短期間に複数の退職金を受け取ると勤続年数が通算されます。iDeCoの一時金と会社の退職金を近い時期に受け取ると、控除を二重には使えません。
2026年(令和8年)1月から、この「近い時期」が長くなりました。iDeCo・企業型DCの老齢一時金を先に受け取った場合、会社の退職金を受け取る年の前年以前9年内にその一時金があると、勤続期間の重なりぶんだけ退職所得控除が減ります(改正前は前年以前4年内。令和8年1月1日以後に受け取った老齢一時金が対象)。先にiDeCoを受け取る出口戦略では、空けるべき間隔が5年から10年に延びたことになります。受け取る順番と間隔で税額が変わる論点なので、金額が大きいときは事前に確認したほうが安全です。
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根拠: 所得税法(昭和40年法律第33号) / 確定給付企業年金法 / 確定拠出年金法 / 中小企業退職金共済法。 整理は当サイトによるもので、官公庁が提供・保証するものではありません。 数値の出どころは働き方とお金の相場と 算出方法にあります。