提出書類を何度も直す会社に、ほかの兆候はあるか

訂正5,075件・1,829社を全上場3,825社と突き合わせた

EDINETには「訂正報告書」があり、一度出した書類の誤りを後から直した記録が残ります。 Corpusでは件数の一覧を出していますが、 多いと何を意味するのかは書いていませんでした。確かめます。

結果: 関係がある。しかも会社の大きさでは説明できない

訂正が0件の会社で継続企業の前提に記載があるのは3.0%、 4件以上の会社では12.6%。4倍以上の差があります。 「大きい会社ほど書類が多く訂正も増えるだけ」という説明が立ちそうですが、 従業員数を揃えて比べても、5つの規模帯すべてで差が残ります

訂正の件数ごとに見る

訂正件数社数 継続企業の前提
に記載
財政状態の
重大事象
代表取締役
の異動
会計監査人
の異動
従業員数
(中央値)
0件2,0993.0%7.7%2.5%1.3%596
1件8463.3%12.1%3.2%1.8%740
2件3795.5%13.5%5.8%1.8%820
3件15812.0%15.2%4.4%3.8%870
4件以上34112.6%17.6%5.6%2.9%1,231

右端に注目してください。訂正が多い会社ほど規模も大きい (596人→1,231人)。提出する書類の数が違うので、当然といえば当然です。 だからこの表だけでは「訂正が多いから危ない」とは言えません。

規模を揃えても、差は消えない

従業員数で5つの帯に分け、同じ帯の中で訂正0〜1件の会社と3件以上の会社の 継続企業の前提の記載率を比べました。

規模帯 訂正0〜1件訂正3件以上
Q1(従業員 中央値96人)10.5% n=60049.4% n=855倍
Q2(従業員 中央値285人)3.7% n=62011.4% n=793倍
Q3(従業員 中央値685人)0.3% n=6165.1% n=7917倍
Q4(従業員 中央値1,682人)0.5% n=5871.8% n=1114倍
Q5(従業員 中央値7,757人)0.2% n=5223.4% n=14517倍

とくに小さい会社(従業員100人前後)では、訂正3件以上の会社の 約半数に継続企業の前提の記載があります。規模の効果ではありません。

この検証の限界

出典: EDINET(金融庁)の訂正報告書・臨時報告書・有価証券報告書。 集計は当サイトによるもので、金融庁が提供・保証するものではありません。 件数の一覧は訂正報告書が多い会社、 記載のある会社は継続企業の前提へ。 ほかの検証: 社員の増減と株価女性管理職と男女の賃金差平均年収の上昇の中身