2025年から2026年にかけて、手取りに効く制度がまとめて5つ変わりました。 給与所得控除・基礎控除・雇用保険料率・介護保険料率、そして子ども・子育て支援金の新設です。 「手取りが増える」とも「支援金で減る」とも言われますが、 実際にいくら動いたのかを、上場3,780社の平均年収と平均年齢で計算しました。
各社の平均年間給与と平均年齢をそのまま入れて、改定前(令和7年分)と 改定後(令和8年分)の手取りを計算し、差を取りました。
| 平均年収 | 社数 | 手取りの増減(中央値) | 改定前に対する比 |
|---|---|---|---|
| 0〜400万円 | 64社 | +19,823円 | +0.67% |
| 400〜500万円 | 380社 | +19,812円 | +0.58% |
| 500〜600万円 | 869社 | +19,420円 | +0.46% |
| 600〜800万円 | 1,664社 | +29,264円 | +0.52% |
| 800〜1,000万円 | 559社 | +19,240円 | +0.30% |
| 1,000〜万円 | 244社 | +21,425円 | +0.26% |
全社で手取りは増えています。増え方は年収帯で大きくは変わらず、 金額では19,240〜29,264円、率では0.26〜0.67%に収まりました。
帯の並びが単調でないのは、基礎控除が段階的だからです。 引上げ幅は合計所得金額の段によって違い(132万円以下は95万円、〜336万円は88万円、〜489万円は68万円、 〜655万円は63万円、〜2,350万円は58万円)、そこに所得税の税率が掛かります。 どの段に乗るかで増える額が変わるので、年収が高いほど増える、という形にはなりません。
上の表は各社の平均年収で計算したものです。 自分の年収・年齢・扶養親族の数を入れると、改定前後の手取りと、 どの改定がいくら動かしたかが出ます。
| 改定の中身 | あなたの場合 |
|---|
前提は下の「この計算の前提」と同じです。 1年ぶんの手取りそのものは手取りの計算機で出せます。
改定を1つずつ順に当てて、それぞれがいくら動かしたかを分けました (各社ぶんの中央値)。年齢で効き方が変わるので、35歳と45歳の両方を出します。
| 改定の中身 | 35歳の場合 | 45歳の場合 |
|---|---|---|
| 給与所得控除の最低保障 55万円→65万円 | +0円 | +0円 |
| 所得税の基礎控除 48万円→段階的(58〜95万円) | +20,420円 | +20,420円 |
| 雇用保険料率 0.55%→0.5% | +2,476円 | +2,491円 |
| 介護保険料率 1.6%→1.62%(40歳以上) | +0円 | -476円 |
| 子ども・子育て支援金 0.23%(新設) | -5,670円 | -5,695円 |
| 健康保険料率の既定 10.0%→9.9% | +2,478円 | +2,490円 |
| 合計 | +19,703円 | +19,230円 |
給与所得控除の「55万円→65万円」は0円です。 この引上げが効くのは年収190万円以下だけで、190万円を超えると控除額は改正前と同じだからです。 上場企業の平均年間給与でこれに当たるのは0社しかありません。 ニュースでは「基礎控除と給与所得控除の引上げ」とまとめて語られますが、 ふつうの会社員に効いているのは基礎控除のほうです。
子ども・子育て支援金はマイナスに効きます。 標準報酬月額・標準賞与額の0.23%を労使で折半するので、本人負担は年収のおよそ0.1%。 年収が高いほど額は大きくなります。それでも基礎控除の引上げが上回るため、合計では増えています。
介護保険料率の1.6%→1.62%は40歳以上にしか効きません。 35歳の列が0円なのはそのためです。
賞与は年収の19%、扶養親族なし、 健康保険料率は改定前10.0%・改定後9.9%(協会けんぽ令和8年度の47都道府県の中央値9.88%に合わせた値)、 入社1年目ではない、として計算しています。 標準報酬月額は等級表ではなく上限での頭打ち近似です。 実際の手取りは保険者・自治体・各種控除で変わるので、差額の傾向を見るための概算として扱ってください。 自分の条件で試すなら手取りの計算機があります。
出典: 有価証券報告書(EDINET・金融庁)。 制度の値は国税庁・ 厚生労働省・ 全国健康保険協会の公表資料。 集計は当サイトによるもので、公的機関の見解ではありません。
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