令和8年度の改定で、手取りはいくら変わったか

上場3,780社の平均年収と平均年齢で計算した

2025年から2026年にかけて、手取りに効く制度がまとめて5つ変わりました。 給与所得控除・基礎控除・雇用保険料率・介護保険料率、そして子ども・子育て支援金の新設です。 「手取りが増える」とも「支援金で減る」とも言われますが、 実際にいくら動いたのかを、上場3,780社の平均年収と平均年齢で計算しました。

手取りが増えた会社
100.0%
3,780社中3,780社
増えた額の中央値
19,803
最小+18,315円 / 最大+40,054円
給与所得控除の引上げが効いた会社
0
平均年収190万円以下のみ

結論: 増えた。ただし理由は思われているのと違う

各社の平均年間給与平均年齢をそのまま入れて、改定前(令和7年分)と 改定後(令和8年分)の手取りを計算し、差を取りました。

平均年収社数手取りの増減(中央値)改定前に対する比
0〜400万円64社+19,823円+0.67%
400〜500万円380社+19,812円+0.58%
500〜600万円869社+19,420円+0.46%
600〜800万円1,664社+29,264円+0.52%
800〜1,000万円559社+19,240円+0.30%
1,000〜万円244社+21,425円+0.26%

全社で手取りは増えています。増え方は年収帯で大きくは変わらず、 金額では19,240〜29,264円、率では0.26〜0.67%に収まりました。

帯の並びが単調でないのは、基礎控除が段階的だからです。 引上げ幅は合計所得金額の段によって違い(132万円以下は95万円、〜336万円は88万円、〜489万円は68万円、 〜655万円は63万円、〜2,350万円は58万円)、そこに所得税の税率が掛かります。 どの段に乗るかで増える額が変わるので、年収が高いほど増える、という形にはなりません。

自分の年収で試す

上の表は各社の平均年収で計算したものです。 自分の年収・年齢・扶養親族の数を入れると、改定前後の手取りと、 どの改定がいくら動かしたかが出ます。

改定前(令和7年分)
0万円
改定後(令和8年分)
0万円
年間の差
0
月あたり 0
改定の中身あなたの場合

前提は下の「この計算の前提」と同じです。 1年ぶんの手取りそのものは手取りの計算機で出せます。

効いているのは基礎控除だけと言っていい

改定を1つずつ順に当てて、それぞれがいくら動かしたかを分けました (各社ぶんの中央値)。年齢で効き方が変わるので、35歳と45歳の両方を出します。

改定の中身35歳の場合45歳の場合
給与所得控除の最低保障 55万円→65万円+0円+0円
所得税の基礎控除 48万円→段階的(58〜95万円)+20,420円+20,420円
雇用保険料率 0.55%→0.5%+2,476円+2,491円
介護保険料率 1.6%→1.62%(40歳以上)+0円-476円
子ども・子育て支援金 0.23%(新設)-5,670円-5,695円
健康保険料率の既定 10.0%→9.9%+2,478円+2,490円
合計+19,703円+19,230円

給与所得控除の「55万円→65万円」は0円です。 この引上げが効くのは年収190万円以下だけで、190万円を超えると控除額は改正前と同じだからです。 上場企業の平均年間給与でこれに当たるのは0社しかありません。 ニュースでは「基礎控除と給与所得控除の引上げ」とまとめて語られますが、 ふつうの会社員に効いているのは基礎控除のほうです。

子ども・子育て支援金はマイナスに効きます。 標準報酬月額・標準賞与額の0.23%を労使で折半するので、本人負担は年収のおよそ0.1%。 年収が高いほど額は大きくなります。それでも基礎控除の引上げが上回るため、合計では増えています。

介護保険料率の1.6%→1.62%は40歳以上にしか効きません。 35歳の列が0円なのはそのためです。

この計算の前提

賞与は年収の19%、扶養親族なし、 健康保険料率は改定前10.0%・改定後9.9%(協会けんぽ令和8年度の47都道府県の中央値9.88%に合わせた値)、 入社1年目ではない、として計算しています。 標準報酬月額は等級表ではなく上限での頭打ち近似です。 実際の手取りは保険者・自治体・各種控除で変わるので、差額の傾向を見るための概算として扱ってください。 自分の条件で試すなら手取りの計算機があります。

出典: 有価証券報告書(EDINET・金融庁)。 制度の値は国税庁厚生労働省全国健康保険協会の公表資料。 集計は当サイトによるもので、公的機関の見解ではありません。

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